ハウスメーカー住宅のリノベーションについて

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仙台のリノベーション専門店CocoRenoです。
本日はハウスメーカー住宅のリノベーションについて書いてみたいと思います。
今回リノベーションした家は私の実家で築28年の軽量鉄骨住宅。大和ハウス工業の建物(ルグランシリーズ)です。

解体前の実家は一般的な南玄関で独立した和室とリビングダイニング・キッチン+居室という間取りでした
今回はこの家を「キッチンスタジオ」にするため、一旦スケルトン状態にして作り直す弊社のMrutto(スケルトンリノベーション)にて施工することになりました

ダイワハウスの建物は内部の柱が極端に少ないのが特徴(鉄骨軸組・パネル併用工法)で、こちらの家は1階がたったの4本、2階には柱が1本のみ。ですので2階はほぼワンフロアにすることも可能。4本しか柱のない1階にしても、間取り変更のご要望にもほとんど対応できるます
※床梁や耐力壁の位置によってある程度制限はあります
さらに耐震性能はメーカーの折り紙つきですので、耐震補強工事の必要もありません

スケルトン状態の1階部分

※柱の本数はプランにより異なります

同じような工法の積水ハウスやパナホームもリノベ向きと言えるでしょう。
鉄骨でもユニット工法のセキスイハイムやトヨタホームは各ユニットの四隅に必ず柱があるので、リノベーションの際には柱の位置を気にしながらプランニングすることが大切です。

一方でミサワホームやエス・バイ・エルなどの壁工法の建物は内部の壁も含めて構造体となっていることが多いため「壁を抜きたい」というご要望にはお答えすることがほとんどできないかと思います。

 

解体前の間取り
リノベ後の間取り

今回は大空間のスタジオを作るために玄関の位置を南から東へと大胆に移動し、元リビングと元和室をつなげ大きなスタジオにしました
階段の位置は変えずに登り方(方向)を変え玄関から入った時の開放感を演出しています
元和室にアイランドキッチンを配置し、浴室は2階へ移動しています

元和室からスタジオを撮影

1階のフローリングはダメージ加工してある物で幅が186mm!!とても存在感のある空間になりました

またスタジオとして使うためには高い天井高も必須
そのため、1階の天井を全て撤去して梁や2階の床組みを現しにして天井高を確保しています

また2階にもキッチンを設置。内装を1階とは雰囲気の違うナチュラルな空間にしました

オークの床材が心を和ませてくれます
実家の大転職。

サッシを全て交換し特に1階には高さ2400mmのハイサッシを採用
「スタジオとして機能させるために自然光をふんだんに取り入れたい」という要望をこのハイサッシが叶えてくれました

外壁は既存の外壁にガルバリウム鋼板をカバー工法で施工し、まるで新築の様な外観に生まれ変わっています

ご覧いただいた通り、ハウスメーカー製の建物(主に鉄骨軸組工法)はリノベーションのベースにとても適していると私は考えています
ハウスメーカー製建物のリノベーションをお考えの方は是非弊社までご相談ください
完成したキッチンスタジオをご案内することももちろん可能です


さて、この当時のダイワハウスの建物は「家全体を断熱材でくるんだ家」ということでとても「暖かい家」として販売しておりました。しかしながら後に紹介しますが現在の同社の建物とは比較にならないほど断熱材の仕様が異なります

銀色のフィルムはアルミ蒸着熱反射フィルムという名称の物で中にはグラスウールが充填されています
部分的にフィルムを剥がしてみたのですが、新しいものと比較しても遜色ない状態でした

外壁の断熱材
当 時:75㎜の高性能グラスウールを圧縮して72㎜(当時は最強)
現 在:高性能グラスウール+高密度グラスウールボード 合計132㎜! 当時の約2倍!
高断熱:エクストラV断熱仕様ではなんと184㎜!
とまるっきり違います。

床下の断熱材
当時:硬質ウレタン30㎜(確かそうだったかと)
現在:硬質ウレタン65㎜! 当時の2倍以上!

壁や床下の断熱材の厚みだけをみてもこれだけの差があります。当時は暖かい部類でしたが、でも実際には寒いんです。

「家の熱は開口部から逃げていく」というような内容をお聞きになることも多いかと思います。実際その通りで、窓ガラス・サッシからどんどん熱が奪われていくのです。

当時のサッシ:アルミサッシのペアガラス(3㎜ガラス+6㎜空気層+3㎜ガラス)
現在のサッシ:複合サッシ(部屋側が樹脂)のペアガラス(3㎜ガラス+12㎜空気層+3㎜ガラス)
高断熱仕様 :熱伝導率が約1000分の1の樹脂サッシ 空気層にはアルゴンガス入り!

これだけの差があるのです。
今回は予算の関係で断熱リフォームは複合サッシへの交換にとどめましたが、床下も小屋裏も今後追加工事を提案していきたいと思います